NVIDIAが毎年開催しているGPU関連イベント「GTC Japan」

 一方,NVIDIAが毎年開催しているGPU関連イベント「GTC Japan」は健在だそうで,同社プラットフォームビジネス本部部長の林 憲一氏によれば,2016年10月5日の開催が決定したとのことである。
 NVIDIAが関わる技術を網羅する開発者向けイベントだけに,GTC Japan 2016では,ディープラーニングだけでなく,ハイパフォーマンスコンピューティングや「コンシューマー向けの仮想現実(VR)についても取り上げる」(林氏)という。ゲーマーの視点でも内容には期待できそうだ。

※GTC Japan 2016は,10月5日に開催決定。場所は東京・お台場の「ヒルトン東京お台場」だ

 そのGTC Japan 2016基調講演は,NVIDIA社長兼CEOであるJen-Hsun Huang(ジェンスン・フアン)氏が行う予定であるという。Huang氏は,日本の自動車産業や製造業におけるディープラーニング市場に注目していると言われているが,そんな氏が日本の聴衆に向けて直接何を語るのか。今から楽しみである。

※Huang氏がGTC Japanの基調講演を担当するのは初めてのこと。前身のイベントである「GPUコンピューティング 2010 Winter」から数えても,実に6年ぶりとなる ■「DGX-1」の演算性能は地球シミュレーター並み? ■国内販売もスタート

 GTC 2016では,PascalアーキテクチャGPU「Tesla P100」を8基搭載するディープラーニング向けスーパーコンピュータ「DGX-1」が発表された。
 DGX-1は,倍精度浮動小数点演算性能が40TFLOSに達するとのこと。林氏によれば,「これは,かつて日本が誇ったスーパーコンピュータ『(初代)地球シミュレータ』と肩を並べる性能※」であるという。巨大な施設で運用していた初代地球シミュレータに匹敵する演算能力が,4Uサイズのラックマウントサーバー1台に収まってしまうのだから,技術の進歩はものすごいものだと感心させられる。

※2002~2009年に運用していた初代の性能。現在の第3世代地球シミュレータは,1.3PFLOPSの演算性能を有する。

 林氏によると,DGX-1は日本企業からの引き合いがものすごいそうで,「日本からの最初のオーダーは,GTC 2016でHuang氏が基調講演を行っている真っ最中に入った(笑)」そうだ。
 そんなDGX-1の国内販売が,Deep Learning Day 2016 Springに合わせてスタートした。GDEPアドバンスとHPCシステムズ,日立製作所の3社が,国内代理店を担当するとのことだ。興味のある人――さすがに個人で買う人はいないと思うが――は,代理店に問い合わせてみてはどうだろうか。

クリティカ RMT